葵さんへのインタビュー
──占星術を学ぼうとしたきっかけを教えて下さい
星の記憶が、静かに目を覚ましたとき
幼い頃、父が贈ってくれた「星の神話」の本が、私と星との出会いでした。夜空の星々がただの光ではなく、物語を語る存在として心に刻まれたのを、今でもよく覚えています。
けれど、成長するにつれその世界は遠のき、日々の忙しさの中で、自分自身を見失いかけていた時期がありました。
そんなとき、「オーラソーマ・アストロロジー」の書籍に出会いました。美しいカラーボトルの色と光の癒し、そして占星術。その融合に心が惹かれ、忘れていた星の記憶がふっと戻ってきたような感覚がやってきました。

英国オーラソーマ社研修施設内、創始者の書斎に飾られているカラーボトル
その後、初めて受けた占星術のセッションでは、自分自身でも気づいていなかった“本当の私”に触れて、心の中にあった重たいものが、ふっとほどけていくようでした。
未来への不安が和らぎ、自分という存在への信頼が戻ってきた。このときの経験が、「占星術を学びたい」と思った決定的なきっかけです。
星の知恵が、こんなにも心を癒し、人生を前向きに変えてくれるのなら、それを誰かのためにも役立てたい——そんな想いが、私を今の道へと導いてくれました。

──日常に占星術を取り入れて、あなたの生活はどのように変わりましたか?
星を知ることで、心の景色が変わる
星の視点を持つようになってから、人の個性や価値観の違いを自然に受け入れられるようになりました。無意識に誰かと比べたり、期待して傷つくことが減り、人間関係がぐっと楽になったことは恩恵の一つです。
また、星の動きを知っていると、思いがけない出来事にも冷静に対応できるようになりました。
特に心に残っているのは、父を見送ったときのことです。悲しみの波にのみ込まれることなく、その瞬間を見つめることができました。
それは、占星術を学んでいたことで、「命にも季節があり、別れもまた宇宙のリズムの一部なのだ」という視点を持てていたからだと思います。
「これも一つの流れなのだ」と受け入れられたとき、胸の奥に静かな安らぎが広がりました。

人生には、自分ではどうにもできないことや、先が見えず不安になることがあります。けれど、星の運行を通して出来事を見つめ直すと、必ずどこかに希望の光が差し込んでいることに気づくのです。
この体験が、今の私の軸になっています。
だからこそ、不安や迷いの中にいる方に、そっと寄り添いながら「その人本来の光」を見つけていけるようなセッションを届けたいと思っています。
私にとって占星術は、未来を決めつけるものではなく「自分を取り戻すためのやさしい地図」のようなもの。
そう心から感じているからこそ、必要としている方に、星々からの知恵を届けていきたいと願っています。

──占星術を学びたい人に、特に伝えていきたいことは何ですか?
星は、今を生きるヒントをくれる
占星術というと、「未来を予測するためのもの」と思われがちですが、“今この瞬間をどう生きるか”という視点を大切にしたいと、意識づけています。
星の流れを知ることで、自分の内側や今の状況が少しずつ整理されていき、「今はこういうときなんだ」と納得できるようになると、自然と心が軽くなっていきます。
迷いの中にも自分らしい選択ができるようになったり、「このままの私でいいんだ」と感じられる瞬間が増えていくのは、嬉しいもの。
さらに、講座で使用しているテキストは、内容の実践性はもちろん、デザインや構成にも丁寧な工夫が感じられるものです。視覚的にも美しく、ページをめくるたびに自然と星の世界に引き込まれていくような感覚があります。
「学びやすい」と感じていただける声も多く、安心して学びに集中できる環境づくりの一つになっています。
ただ知識を得るだけではなく、星と向き合う時間そのものが、自分自身と対話するような心豊かな体験になるように。そんな学びの時間を、大切にしていきたいと思っています。

開催した色彩と占星術クラス風景
── あなたの好きな国はどこですか?占星術の視点からみると?
星が導く、ご縁のある土地へ
文化や歴史が色濃く残るヨーロッパの国々には、もともと強く惹かれていました。
けれど、アストロマップを見てみると、私の太陽や金星のラインが通っているのは南米で、特にペルーは、ロケーショナル占星術の視点から見ても深いつながりを感じる土地のようなので、いつか訪れてみたいと強く思っています。
また、以前訪れたエジプトは、私にとってIC(天底)に木星が重なる場所です。まさに“魂の根っこ”とつながるような旅で、安心感や広がりを感じる体験になりました。

古代エジプトで、スピリチュアルな儀式が行われていた遺跡にて
今の時代、留学や海外移住を気軽に体験する方が増えています。そんな中で、「自分にとって本当に心地よく過ごせる場所はどこだろう?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
アストロマップでは、その土地にどの天体が響いているかによって、私たちの感じ方や受け取る影響が大きく変わります。
それは海外に限らず、国内の旅や引っ越し、日々の移動の中でも同じこと。私たちはいつも、星の流れと響き合いながら暮らしています。
だからこそ、星のラインとつながる土地を訪れることは、想像以上に深く、自分自身と出会う旅になるのだと感じています。
これからもご縁を感じる場所へ、星に導かれるように旅を続けていきたいと思っています。

──今後の、葵さんの占星術家としての展望を教えて下さい。
自分らしさを照らす、星の案内人として
私自身、地のサインが多く、占星術をただの知識ではなく、「体感を通して生かす」ことを大切にしています。
日々の暮らしの中で感じてきたこと、アストロマップに基づいた“星の導く旅”や、心と身体を整える香り・食との組み合わせなど、五感を通して星とつながる体験も取り入れながら、より立体的なサポートをお届けしていきたいです。
また、今後は未来のアストロロジャーの育成にも力を注いでいきたいと考えています。
星を学ぶことは、単に知識を得ることではなく、自分自身と深く向き合い、まだ気づいていない可能性に出会うこと。
星の示すサインを通して、自分の中に眠る才能や本質が浮かび上がってくる瞬間が、きっと訪れるはずです。
どんなときも、その人のリズムに寄り添いながら、自分らしく人生を歩むための一歩を後押しできる。
私は、そんな星の案内人として在り続けたいと思っています。

オーストラリアのバイロンベイにて撮影。ヒーラーとして活動されているご主人と共に。
インタビューが終わって
──山羊座に太陽や金星を持つ葵さん。その言葉の一つひとつには、大人としての成熟した視点と、星とともに歩んできた人生の深い実感が静かに息づいていました。
幼い頃に魅了された星の世界が、色と光のセラピーとともに大人になって再び心に戻ってきたというエピソードは、彼女のセッションや講座が、知識を超えた“体験”として人の心に届くことを予感させてくれます。
「今をどう生きるか」という視点で占星術を捉え、香りや食、アストロマップなど五感を通じたアプローチを融合させる姿勢は、葵さんならではの深みです。
肩ひじ張らずに本質を見つめる、その静かなまなざしがとても印象的でした。
ASTRORATIO USA
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