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心と身体に、最上のオアシスを_Sedona
2017年の春。やわらかな風に背中を押されるように、ラスベガスでDKピラティスの代表のKaeさん・Kanaeさん、そして現地のみなさんの温かなサポートのもと、セドナ&ラスベガスのリトリートを開催しました。
セドナでは、赤い岩肌を一望できる静かな別荘に滞在。
広いガーデン、ゆったりしたリビング、そして朝の光に染まるカセドラルロック。
ガーデンスペースも広くて、ゆったりした空間。
会話と沈黙のあいだに、呼吸が深く整っていく。
そんな贅沢で清らかな時間が流れていました。
希望者には、ヨガインストラクター・Masamiさんによるレッスンも。
大地の色を映す空の下で、やわらかく身体を目覚めさせ、心と体を整えていきます。
おかげさまで、滞在中は皆さん健やかに過ごせました。
ボルテックスを歩く。大地と呼吸を合わせて
セドナ滞在の中心は、ボルテックスと呼ばれるエリアをめぐるハイキング。
毎日、小さなグループに分かれて、ベルロック、ボイントンキャニオン、バースケイヴ、デヴィルズ・キッチン、チャペル、そしてカセドラルロックを望むリバーサイドへ。
自然のリズムに合わせて歩くと、身体の芯が静かに整っていくのを感じます。
ベルロック
ベルロックは鐘のかたちをした赤い岩山で、セドナを象徴する景観のひとつ。
とくに男性的なエネルギーが強いと言われているようです。
私たちは公式トレイルを歩き、中腹の展望へ(駐車場から徒歩約15分ほど)。
上部は急斜面のため、無理はせず、安全第一で。風と光の抜ける岩肌を眺めながら、足裏で大地の確かさを確かめました。
Birthing Cave(子宮の洞窟)
バースケイヴはその名の通り、壁面の形が「女性の子宮」や「産道」を想起させると印象がある場所。
セドナのメスカル・マウンテン(Mescal Mountain)にある隠れた洞窟、ネイティブアメリカンの人々の聖地として、密かに知られてきたようです。
伝承や地元の伝説によると、先住民のホピ族や近隣部族の女性たちが、出産の際にこの洞窟で過ごしたとされ、「女性性」「誕生」「再生」の象徴として、この洞窟は「新しい命」を迎えるための神聖な場であったとの言い伝えが残っています。

巨大な洞窟というわけではないのですが、アングルによってはこんな写真が撮れます
洞窟内で瞑想したり、大地のエネルギーを感じる人も多く、近年インターネットで場所を検索できるようになってからは、パワースポットとして訪れる人々が増えたそうで、2017年の時点では、ネイティブアメリカンの人々の儀式をする場所がありましたが、コロナ後の2022年に訪れたときは、残念ながらなくなっていました。
セドナを初めて訪れた2000年の頃に比べると、道路の幅も広がって、お店やホテルが増えていき、驚くほど街は変わっていきました。
世界中から多くの人々が魅力を感じ、訪れる街ではありますが、先住民の人々ゆかりの大切なところは触れないように、ルールは守っていきたいものですね。
ボイントンキャニオン
ボイントンキャニオン(Boynton Canyon)は、セドナにある4大ボルテックス(エネルギースポット)のひとつで、先住民にとって聖地とされ、世界的にも有名なパワースポットです。
セドナにある他のボルテックスが片方のエネルギーだけを持つのに対し、男性性と女性性両方のエネルギー共存していると言われています。
ボイントンキャニオン・トレイル は、渓谷や赤い岩山、豊かな植生に囲まれた美しい景観の中を歩くハイキングコース。
私たちが訪れたのは、短いビスタトレイル(Boynton Vista Trail)と呼ばれる、30分ほどで到達できるコース。
状況が許すなら「サブウェイケーブ(Subway Cave)」と呼ばれる、洞窟からの景色も絶景の往復約10kmのロングトレイルもおすすめですが、夏は気温がかなり上昇するために、早朝でないと厳しそうです。

細長く赤い岩肌のカチーナウーマン(Kachina Woman)
「カチーナウーマン」「ノエル」陰陽の岩が、訪れる人を圧倒します。
カチーナウーマンは「女性性」の象徴、ノエルは「男性性」の象徴と言われていて、触れると子宝に恵まれるという言い伝えもあるなど、様々な伝説も残っているようです。

男性性の象徴と呼ばれる、ノエル/ウォーリアー(Noel/Warrior Rock)
地球のエネルギーが渦を巻くボルテックスにあるからか、その強いエネルギーによって樹木の幹や枝がねじれたり曲がったりする特徴的な形状になると考えられているようです。
まさにボルテックスの存在を感じさせる一つのサインですね。
ハートの形をしたセドナの石を配ってくれるおじさんもいて、遭遇した方は嬉しいサプライズもあったようです。
なぜかここで観る雲はドラゴンのようだったり、晴れていても虹が見えたりと、いつ訪れても、やはり特別な場所といった印象がやってきます。
カテドラルロックと、レッドロッククロッシング

カセドラルロックとオーククリークの流れが調和した場所
オーククリーク(Oak Creek)にあるレッドロッククロッシングは、オーククリークの川辺からカセドラルロックを一望できる絶景スポットとして、多くの写真家や観光客が訪れます。
川の水面にカセドラルロックが映り込む美しい風景が撮影できる場所でもあり、ピクニックもできる憩いの場所。
カセドラルロック・トレイルはセドナの赤い岩山や美しい自然を360度見渡せるので、特に夕暮れ時の岩の赤みが変わっていく光景は絶景と言われています。

ヨガ講師のMasamiさん。みんな各々素敵な写真を撮りました

パワーストーンに詳しい麗妃さん。ヒーリングには最高の場所ですね

サポートしたスタッフも一緒に。
私たちは時間の関係上、トレイルはしませんでしたが、とっておきのセドナでの写真を、セドナ在住のプロのカメラマンの方に撮っていただきました。
UFOツアー
セドナは星空保護区に認定されており、ベルロックやカセドラルロックは街の光が届かないため天体観測にも適した場所と言われています。
とくに宇宙との繋がりを強く感じさせるセドナは「UFOの目撃多発地帯」と囁かれており、数々のUFO伝説やエネルギースポットから「UFOツアー」が人気です。
夜中のため、画像が撮れていないのが残念ですが、ツアーに参加して、軍用暗視ゴーグルやスターポインターを使いながら「点滅する光」「形やサイズが変わる謎の飛行物体」「山の上を移動するUFO」など、説明を受けながら、観察を楽しみました。
スウェットロッジ体験
セドナやシャスタといった、聖地ならではの体験の一つが、ネイティブアメリカンの浄化の儀式として代表的なのがスウェットロッジ(Sweat Lodge)。
これは、ネイティブアメリカンの伝統的な浄化・癒しの儀式で、蒸気の熱と薬草の香りによって身体と心を浄化するものと、伝えられています。

スエットロッジ前にリーダーの説明を聞きます
精神的な再生を目指す目的があり、小さなドーム型テントの内部で、熱せられた石に聖水をかけて蒸気を発生させ、その中で祈りや歌を唱えていきます。
部族の許可を得た公認のファシリテーターが主宰するプログラムとして、当日は、お手伝いのスタッフも一緒に参加しました。
「熱い・暗い・閉所」という環境の中で、参加者の方の中には、長く抑えてきた感情やストレスがほどけ、涙があふれたり、気持ちが高ぶる瞬間もありました。
けれども、スウェットロッジで蒸気をたっぷり浴びた後、川で身を清めると、表情は次第にやわらぎ、最後はみんな笑顔で締めくくることができました。
食から大地と繋がる__ランチ&ディナー
セドナはこの土地に惹かれて、都会での仕事をやめて移住してきた人も多く、自然と共存して生活を楽しんでいる方も多い街です。マクドナルドのマークもターコイズカラー、Whole Foods Marketもレンガ色で、街の景観も規制によって整えられています。
レストランも、オーガニックやローフードが多く、メキシカンだけでなくアジアン系も増えています。
ショコラツリー/ChocolaTree Organic Oasis。
アドレス:1595 AZ-89A, Sedona, AZ 86336 アメリカ合衆国
食材への加熱は最小限で、生に近い形のオーガニック料理が中心。自然派チョコレートの自家製が有名で、店の裏庭はオープンエアのカフェスペースで、開放的でリラックスできる雰囲気があります。
健康志向の高い人に人気のお店です。画像はアボガドやナッツ、ケールやコリアンダー、スプラウトシードを使った、Green Goddess Salad。
エンチャントメントリゾート内レストラン/Che Ah Chi
525 Boynton Canyon Rd, Sedona, AZ 86336 アメリカ合衆国
ボイントンキャニオンを訪れた後に、ぜひ立ち寄って欲しいのが、エンチャントメント・リゾート内のレストラン。
ボイントンキャニオンから谷底を眺めると、エンチャントメントリゾートホテルが建っていて、パワースポットに建っているような空間にあります。今度はホテル側からボイントンキャニオンを眺めることができます。
宿泊客か、レストラン予約客しかゲートを通過することができない、老舗のリゾートホテルです。
ギフトショップもセンスが良く、ランチやディナーをするだけでも景色や空間を楽しめます。
星の運行に合わせた、ディナーメニュー
セドナの一軒家では、星の動きに合わせてスパイスや食材から吟味した、Hirokoさんによる星月ごはんレシピをみんなで作って、美味しくいただきました。
Hirokoさんは、アーユルヴェーダの概念を生かして東京でお料理教室をなさっていて、雑誌クロワッサンやムック本など、健康的で美味しい料理のレシピをたくさん紹介されています。
みんなでワイワイお手伝いしながら、頂いたディナーは格別!感謝です。
旅の余韻。「整う」を持ち帰る
朝日が岩肌を染め、夕暮れが空の色を深める。
その変化に寄り添うように、私たちの呼吸も静かに整っていきました。
セドナは「非日常」ではなく、日常に持ち帰れる「整う」の感覚を教えてくれる場所。
帰宅後も、早起きして光を浴びる。深呼吸を3回。一杯の水をていねいに飲む
そんな小さな習慣が、旅の続きをそっと支えてくれるようです。
またいつか、大地に敬意を払いながら、この場所に会いに行こう。
心と身体が求めるタイミングで、必要な分だけ。
セドナは、いつだって静かな扉を開けて待ってくれています。
アメリカ・ラスベガス&セドナリトリート2は、ラスベガス編です。